■ 夜市の起源
 台湾では、日本統治時代初期に、当時一番の繁華街、今の台北市大同区にある大稲埕(だいとうてい)にできたのが始まりだという。
 今のように各地に夜市ができるようになったのは、1970年代ごろ。工業化が進み、中小企業がたくさんできて、勤め人が自炊する時間がなくなる一方で、物品の供給量も増えたためらしい。
 普通は廟を中心にして、徐々に広がる形式になっている。

士林夜市の小路を入ると、食べ物屋台が所狭しと並んでいる

士林夜市の小路を入ると、食べ物屋台が所狭しと並んでいる

■ 何でも手に入る夜市
 そもそも、台湾人は外食が多い。大勢でわいわい食べるのが好きなこともあるが、副業・共働きで炊事の時間がないというのもその理由だ。そんな背景もあって、夜市は食事の屋台が主体となっている。いろんな種類のものを安く飲み食いできるのが特徴だ。
 夜市のなかと周辺には、屋台だけでなく食堂も軒を連ね、評判が良い食堂も夜市近くに多い。
 台湾は全体的に食べ物が安くておいしいので、夜市ではまず食べることをおすすめするが、もちろん飲食の場だけでない。
 「ナイトマーケット」というだけあって夜市にはさまざまな店が集まっている。生活雑貨、文房具、家電製品、寝具、衣類、靴類、下着、装飾品、機械部品、工具をはじめ、音楽や映像ソフト(海賊版であることが多い!)の店や屋台もある。「五金店」(ngó・-kim-tiàm)と呼ばれる金物店には、金物だけでなく多種多様な雑貨が売られている。
 「五金」以外にも、雑貨スーパーみたいな店もあり、洗濯ネット、肌着、布団、電気ポット、携帯ストラップ、パソコンのキーボードやマウス、ペットボトル飲料、ペン、付箋、シャンプー、乾電池、電灯、絆創膏、トイレットペーパーにいたるまで、日用品は何でもそろっている。
 ちょっと変わったところでは、眼鏡を作ることだってできる。夜市の近くには眼鏡屋が並んでいて、日本人は安い眼鏡を求めて韓国で買うことが多いが、台湾もかなり安くできるのでおすすめだ。
 また、日本の夏祭りの夜店で見かけるパチンコ台、射撃ゲーム、金魚すくい、子どもが楽しむ電動自動車などのチープな遊戯類の露店も並んでいる。日本でいえば、まさに伝統的商店街とデパート屋上に祭りの縁日が一緒になったようなもの。
 夜市に行って、食事を食べ、タピオカミルクティーを飲み、日用品の買い物も済ませる……。まさに、夜市は台湾人にとっての総合娯楽ショッピングセンターのような存在なのだ。

ずらりと並んだゲーム台には子どもたちが群がる

ずらりと並んだゲーム台には子どもたちが群がる

唐揚げ屋(塩酥雞)では、好きな具材を指さして注文しよう

唐揚げ屋(塩酥雞)では、好きな具材を指さして注文しよう

■ 「不二価」が多いが、値切れるところも
 食べ物はもちろん、日本の相場に比べるとかなり安くものが買える台湾なので、あまり値切る習慣はない。特に、「不二價(価)」(正札)と書かれている場合は、まず値切れないと考えていいだろう。ただ、夜市の食事屋台・果実屋・雑貨店の中には、まとめて買えば値切れるところも少なくない。
 ここで注意しておきたいのが、割引の表示の仕方だ。セールや割引交渉で、「九折」「七五折」などと書かれているが、それぞれ元値の9割(つまり1割引)、7割5分(25%引き)という意味。日本の表記と反対なので、間違えないようにしたい。


ワンテーマ指さし会話 台湾×夜市ワンテーマ指さし会話 台湾×夜市

著者:酒井亨
台湾の夜市事情から、夜市めぐりの交通手段、台北市内夜市MAP、おすすめ料理や注文まで、台湾の夜市を楽しむための方法やコツが満載。
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