カフェはサードプレイス[アメリカ]

2014/12/10 情報センター出版局

Share This

　スターバックスの成功により、タリーズやシアトルズ・ベスト・コーヒーが追随して、シアトル系なる言葉まで生み出されたシアトルのコーヒー文化だが、シアトルを訪れた際にはチェーン店よりもシアトルにしかないインディペンデント系のカフェを訪れてみよう。

　インディペンデント系のカフェは、コーヒーの味はもちろんだが、店内にアーティストの作品を飾っていたり、数種類のボードゲームを用意していたり、住宅街などの店では子ども連れのために塗り絵のスペースを設けていたり、さらにはアーティストのバリスタがいたりと、それぞれ個性を打ち出してオリジナリティを競っている。また、手づくりのドーナツやカップケーキなどのスイーツを売るカフェも人気だ。
　こうしたインディペンデント系のカフェは、チェーン店が作り上げたto go（持ち帰り）のスタイルとは異なり、シアトライツにセカンドリビング、サードプレイスを提案している。
　セカンドリビングとは、自宅のリビング以外の居間を表し、単にコーヒーを飲むだけでなく、カフェをアウトサイドのもうひとつのリビングとして、くつろぎのスペースとして利用しているということだ。
　サードプレイスとは、自宅、オフィスや学校に継ぐ３番目の場所という意味だが、好きな時に訪れて、自宅ではなかなか淹れることのできないおいしいコーヒーを飲みながら本を読んだり、友人と会話をしたり、レポートを作ったりする場所としてのカフェを意味している。
　依然カウンターで注文し、出来上がったものをto goするスタバ式スタイルが主流だが、メニューに軽食やデザートを充実させ、テラス席に加え、ゆったりとした席を店内に設ける店も最近は多い。ウエイトレスやウエイターこそいないセルフサービス方式ながら、かつての日本の喫茶店のような雰囲気を売りにする店も増えている。現に日本で喫茶店に入って、喫茶店のスタイルに感銘を受けたというオーナーのカフェもある。