ラーメン屋台 入門
気軽に一杯。されど奥深し[タイ]

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YUBISASHI 旅の指さし会話帳

同じようでいて、それぞれ何かが違う
 タイには溢れ返るほど屋台があるが、その中でも一番多いのは間違いなくラーメンの屋台だろう。店先に大きな銀色のずんどうを置き、もわもわっと立ち上ぼる湯気の中で店の人がシャッシャッと麺を茹でている姿がいたる所で見られる。数あればラーメン屋台にぶつかる確率は高いうえ、ラーメンだったら味も想像がつく=旅行者にとってラーメンを食べる機会は多いのではないだろうか。
 私も旅行者だった時は、お腹が空いたらとりあえず一番わかりやすいラーメン屋台に入っていた。どの麺か聞かれて指をさしたこともあるし、屋台の人が適当にみつくろって持ってきてくれたこともある。時にはスープの色が濃かったり、モツが入っていたり、チャーシューがのっていたりしたが、素直に運ばれてきたものを食べた。
 でも時々、隣りのテーブルの人が食べているラーメンを見て、「なんかあっちのほうがおいしそうだな」「なんであの人のはスープがピンク色なんだろう」なんて思うこともしばしば。かといって聞くこともできず、しいてできることといえば、お代わりする時に指で「あれと同じの」とさすことぐらいだった。
 でもわかってしまえば実にルールは簡単! これさえわかれば好きなラーメンを注文できるので、ここでラーメン屋台のノウハウを伝授しよう。

1. スープを選ぶ……
まずは“屋台を選ぶ”
 まず、ラーメンを食べる前に、どんな味付けのスープを食べたいか決めよう。日本に豚骨ラーメン、鰹節などでスープをとった魚介系ラーメンなどがあるように、タイのラーメンもスープによって店が変わってくる。ただし、ここでいうスープはダシではなく、味付けのほうをさす。タイラーメンのほとんどは豚骨が主流だからだ。
 大きく分けると以下の5種類になる。

1.ナムサイ(すまし系)
2.トムヤム(トムヤム味)
3.エンタフォー(腐乳入り)
4.ナムトック(血入り)
5.トゥン(煮込み)

 ここではまず「スープを選ぶ」ということを頭に入れておこう。それが決まれば、その屋台を探せばいいが、1つの屋台で1と2、1と2と3があることもある。いずれにしても目的のスープを決めるのが先決だ。

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2. 麺を選ぶ……基本の4種類
 目的の屋台を見つけたら、次は「麺を選ぶ」こと。麺は主に4種類ある。
1.センミー(極細麺、いわゆるビーフン)
2.センレック(細麺、きしめんよりやや細い)
3.センヤイ(太麺、生麺で幅が2cmほどある)
4.バミー(卵麺、日本のラーメンに近い)
 1~3は米、4は小麦粉が原料で、1はするすると、2は少しコシがあり、3はプニュプニュした弾力があり、4は日本のラーメンを軟らかくしたような食感だ。バミーはどちらかというと、ワンタンやチャーシュー、アヒルなどといった中華素材と組み合わせることが多い。

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3 具を選ぶ……豚肉や牛肉、魚など
 麺が決まれば、今度は「具を選ぼう」。豚肉が一般的だが、豚肉といっても、豚挽肉、一口大の肉、モツ、つみれなど様々。特により好みがなければ、「豚肉(ムー)」とひと言言えばいい。いろいろミックスして持ってきてくれる。牛肉と鶏肉、魚を取り扱っている店はぐっと減る。

■ 基本の注文の仕方は「麺 + 具 + スープ」
 例えば、「細麺のトムヤム味豚肉ラーメン」を食べたければ、「センレック(細麺)・ムー(豚肉)・トムヤム(トムヤム味)」でいい。順番は入れ替わっても問題なく、「麺+スープ+具」になってもOKなので、この3つを念頭においてラーメン屋台にレッツゴー! 店頭で指さして注文する時も、このことが頭に入っているとスムーズだ。

挽肉やかまぼこ系、つみれ(ルークチン)など具は店によっていろいろ

挽肉やかまぼこ系、つみれ(ルークチン)など具は店によっていろいろ


ワンテーマ指さし会話 タイ×屋台めしワンテーマ指さし会話 タイ×屋台めし

著者:岡本麻里
タイの屋台事情から、屋台を見分ける極意、注文の仕方まで、タイの屋台めしを味わうための方法やコツが満載。
【Yubisashi Shop】 ワンテーマ指さし会話 タイ×屋台めし

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