指さしマレーシア、カンボジアの重版が出来ました!

2026年2月に、旅の指さし会話帳シリーズのマレーシア編、カンボジア編が重版となりました。
この2点は、いずれも2001年に初版が刊行されていて、刊行から25年になります。
両作の著者・戸加里康子さん、福富友子さんは、指さし会話帳の執筆後、東京外国語大学などでそれぞれの言語を教え、通訳の場面で一緒になることもあるなど共通点も多いと聞き、インタビューをお願いしました。(編集部・細川)
お二人にとっての指さし会話帳とは?
まずは、指さし会話帳の初版刊行以来の印象的な出来事を聞いてみました。
戸加里さん(以下・戸):初版刊行の頃はマレーシアのクアラルンプールに住んでいたので、街中で指さし会話帳を持っている人をときどき見かけました。自分が手がけた本を誰かが使ってくれているのを目撃できるのは、不思議な感じでした。

『旅の指さし会話帳15マレーシア』 主要な言葉をマレーシア語、マンダリン(華語)、タミル語の3言語で掲載していることも特徴です。著者は戸加里康子さん。
福富さん(以下・福):私は飛行機で隣の席の人が読んでいて、どきどきしたことがあります。大学で、私が書いた本と気づかずにカンボジア旅行で使って帰ってきた学生が「赤い表紙の本がすごく役に立ったんですよ!」と教えてくれて盛り上がったことも。

『旅の指さし会話帳19カンボジア』 アンコールワットやアンコールトムなど、カンボジアの遺跡にページを割いて紹介しているのが特徴です。著者は福富友子さん。
戸:指さしマレーシアのイラストレーターおおのきよみさんは、マレーシアを旅行したこともあり、マレーシアの街角の様子を本当に楽しく描いてくれていて、どのページも大好きです。

指さしマレーシア16ページの「多民族」。街の様子がいきいきと描かれています。
福:指さしカンボジアは、遺跡や芸能の絵が細かくたくさん載っています。イラストレーター鈴木修一さんの写実的なうえにほのぼのとした絵がとても好きです。

指さしカンボジア30ページの「アンコールワット」。なお、福富さんの遺跡観光でのオススメは、「レリーフがかわいらしくて、空いてもいるバプオン」とのことでした。
意外な共通点は影絵
そして、お二人を結びつけているもう一つの共通点が「影絵」。お二人ともずっと追いかけていらっしゃるのです。
戸:指さし会話帳の初版をまとめた頃に、クアラルンプールで上演された影絵を観にいったのがきっかけです。マレーシア東海岸クランタンで上演が禁じられている影絵を、首都クアラルンプールで演じる催しでした。当時は話はまったくわからなかったのですが、とても印象に残りました。その後大学院に入り影絵を研究テーマとしました。

指さしマレーシアにも影絵は掲載されています。マレーシアの影絵で演じられるのは、インド発祥の古代叙事詩ラーマーヤナ。右の写真は戸加里さんが、影絵人形の作者さんから直接もらったという人形です。とってもカラフルですね!
福:プノンペンに住んでいた頃に、カンボジアに調査に来た人の通訳として同行し、カンボジアの影絵を初めて観ました。セリフや場面の意味を聞かれてもわかりませんでした。その後、演目のあらすじを翻訳する仕事などを通して興味を持ち、シエムリアプの影絵スバエクトムの一座の先代の座長宅に住み込んで演技を習うことになりました。
新型コロナのピンチに
福富さんは座員として4年間を過ごした後帰国。その後は影絵一座の運営側の「中の人」として、一座が来日する機会には準備や通訳を手伝っていましたが、数年前に一座存亡の危機を迎えます。それがコロナパンデミック。カンボジアを訪れる観光客が激減し、上演の機会がほぼゼロとなってしまいました。
そこに協力したのが戸加里さん。福富さんや東南アジアの芸能に関わっている友人たちと一緒に「カンボジアの小学校でのスバエク・トム上演を支援する有志の会」を立ち上げFacebookで賛同者を募りました。カンボジアの小学校で影絵を演じてもらい、小学生が観るのと同時にweb上の中継で賛同者も観ることができるという取り組みでした。これが一座の人たちの、折れそうになった心を励まし、危機を切り抜ける力となりました。
その後この取り組みは、KDDI財団による寺院での上演への支援へとつづいています。
福:今は座長が人間国宝にもなって、カンボジア国内での認知度も増してきました。小学生に観てもらう試みも、影絵の裾野を広げることにつながっています。
カンボジアの芸能文化の存続に、指さし会話帳シリーズの著者さんお二人が深く関わっていたのです。本の中にも影絵が登場しますので、チェックしてみてください!

カンボジアの影絵人形は、小さなものと大きなものがあり、小さな方はコミカルな演目を、大きな方はリアムケー(ラーマーヤナのカンボジア版)だけを演じます。指さしカンボジア59 ページにも掲載されています。
それぞれの指さしのおすすめポイントは?
旅の大きな楽しみといえば食。そして、街歩きでの発見が大きな楽しみという方も多いのではないでしょうか。指さし会話帳を持って旅することで、そんな楽しい体験をすることができます。それぞれの本の中でのおすすめのポイントも聞いてみました。
戸:マレーシアは多民族国家で、さまざまな種類の美味しいものが街にあふれています。その中で「揚げバナナ」がおすすめです。よく売られているけれど、いつ食べてもやっぱりおいしい。ぜひマレーシアで試してみてほしいです。
また、マレーシアの東海岸にクロポッレコーという魚のすりみ揚げがあって、これがすごくおいしいです。初版では入ってなかったですが、第二版からは入っています。今はクアラルンプールでも食べられるので、ぜひ見つけて食べてほしいです

左:指さしマレーシア57ページの「揚げバナナ」 右:指さしマレーシア32ページの「魚のすり身揚げ(クロポッレコー)」
福:カンボジアの料理は、タイほど辛くはなく、ベトナムほど香りが強いわけでもなく、日本人が食べやすいと言われます。私のおすすめは、「塩魚入りオムレツ」。ビールにもご飯にもあいます!
また、2026年の重版で「座敷童(ざしきわらし)」という言葉を入れました。座敷童は家を守ってくれるとされて、軒先に祀られていたりします。旅行のときに見つけてみてください。会話の話題にしても、いろんな発見があると思います。

左:指さしカンボジア53ページの「塩魚入りオムレツ」 右:指さしカンボジア85ページの「座敷童」
お二人の思いのこもった重版本は、2026年2月下旬に印刷所から納品され販売開始されています。
ゆびさしのshopでも販売していますので、ぜひお買い求めください。

お二人のおすすめリンク
最後に、お二人のおすすめの情報をお聞きしました。
戸:ミャンマーからバングラデシュに逃れたロヒンギャ難民が、マレーシアを目指す映画「ロストランド」。すごく良いのでぜひ観てください。2026年4月24日に公開予定です。
▶️ https://www.lostland-movie.com
福:カンボジアの影絵についてまとめたHPをつくっています。
▶️ https://sbekthom.web.fc2.com
影絵一座のFacebookでは、小学校での影絵教室の様子などもみることができます。
▶️ https://www.facebook.com/profile.php?id=100057413119713&tn-str=k*F
戸加里さん、福富さん、ご協力ありがとうございました!
追記
戸加里さんに、クアラルンプールで売られていたクロポッレコーの写真をいただきました。ぜひみなさんも指さし会話帳を片手に、探してみてください!







