指さし会話帳で語学学習!?タイ語を覚えた松島調(なり)さん
4月は新年度でライフスタイルが変わる方も多い時期。勉強や習い事など、新たなチャレンジを行う方も多いのではないでしょうか?
実は「旅の指さし会話帳」、語学学習に使われることも多くあります。そこで、実際に指さし会話帳を使ってタイ語を覚えたという読者の方に、コツやメリットを伺いました!

バンコクにて。松島さんがシーサケート県で働いていた時の同僚と再会した時。
日本語教師が語る「旅の指さし会話帳 学習法」
読者の方のお名前は、松島調(まつしま・なり)さん。松島さんは、日本語教師として、大学やオンラインでの学習コミュニティで日本語を教える仕事に携わっています。

松島調さん。語学のほか、茶道体験の講師を務めるなど多彩に活動。
英語をはじめ、様々な言語を習得されている松島さんですが、とりわけ指さし会話帳で勉強したのが、タイ語。
子どもの頃、料理をきっかけにタイに興味を持った松島さんは、日本でできたタイ人の友達が帰国したのを機に渡タイ。タイ語の学校にも通いつつ、参考書にしたのが『旅の指さし会話帳1タイ』でした。暇ができると指さしを開いて眺め、何がどこに書いてあるかを覚えていったそうです。

ボロボロになった指さしと、同じく肌身離さず持っていたバンコクバス路線図。
超初心者向けの文法ページが秀逸
「学校では教科書は使わなかったので、指さしが教科書代わりでしたね。学校で習った言葉を指さしで確認していくという感じ。文字が手書きでかわいらしいし、必要な情報が見開き単位で載っているのが便利。絵として画像がパッと入ってくるのは最強」と語る松島さん。
暗記するほど覚えたページを、タイ人の友人に見せながら話すと、大盛り上がりするのを体感。覚えた語彙がまだ少なかった頃でも、指さしを使うことで、話せることが広がる喜びを感じたそうです。
「文法のページも、超初心者向けに書かれているので、とっつきやすい感じでスッと入ってきましたね。読者にわかってもらおうという意志を感じて、もっと勉強したくなりました」
そんな松島さんに、どんなページが役に立ったかと聞いてみると…。
「タイ語に限らず指さしは、後ろの方にある『動詞・疑問詞』、『その他の形容詞』は秀逸だと思います。特に助動詞は表現の幅を広げるので、めっちゃ見ていました」

何度も読み込んだ文法(発音)のページ。お寺のおみくじが挟まれている。
まったく勉強してなくても対話できる
こうしてタイ語を身につけた松島さんは、帰国後もタイ語を学び、その後は日本語教師として、語学を教える仕事に就くこととなります。学ぶ側から教える側になった松島さんに、指さしを使って語学を学習するメリットを聞いてみました。
「今私が思うのは、言葉を介して他者とやりとりすることには、情報の伝達と、人と人との対話の2種類あるということです。情報の伝達という意味では、指さしを使わなくても、今なら翻訳機とかいろいろツールはあります。でも指さしは、人との対話が目的になっていて、目の前の人と人間同士のやりとりができることが他のツールとは違うところです」
「今の日本の外国語教育の多くが伝達を目的としていて、対話が目的となっていない。そして、まずは教室で勉強して、できるようになってから実際に話す、というシステムになっていることが多いです。だからちょっと始めて諦めてしまう、となりがち。その点、指さしは、言葉が通じる喜び・刺激を、初心者どころかまったく勉強していない人でも味わうことができる。これはすごいことですよね」
超初心者でも、勇気を持って話してみれば、そこに楽しい世界が待っていると熱く語る松島さん。語学の勉強に苦手意識のある方でも、相手と話してみたいという気持ちがあれば大丈夫!この春、指さしを手に一歩踏み出してみませんか?
松島さんが運営に携わるラーニングコミュニティ『marugakuen° ◯学園』
松島さんが運営に携わる愛知県蒲郡市のゲストハウス『ゲストハウス八百富』
松島さんが主宰するpodcast 「意味を知ったらもっと美味しい?おなかすくすくラジオ~~」