被災地支援指さし会話シートができた経緯と撮影の舞台裏

非常時もスムーズに対応 外国人と指さしで会話 アレコレト!

フジテレビ


2019年7月5日(金)夕方、フジテレビ「Live News it!」のアレコレト!のコーナーに「被災地支援指さし会話シート」が紹介されました。

番組内では5分を超える紹介をしていただき、
訪日外国人の増加に伴い、地震や豪雨といった災害対策への関心も高まっていることを改めて感じました。

今回、番組で紹介された「被災地支援指さし会話シート」は、2011年の東日本大震災の際、
言語を扱う私たちにも何かできないかと考え、制作されたことがきっかけでした。
当時は、外国人被災者や海外ボランティアの方、避難所等で外国人対応をする日本人スタッフの方々に使っていただけるよう
SNSやメディアを通じて広く拡散いたしました。
お互いの国の言葉は話せなくても、気持ちを伝え合うことはできます。
指をさして会話をすることで、必要な情報を知らせたり、
言葉が通じることによる安心感を少しでも感じていただければ、という思いがありました。

livenewsitの打ち合わせ

左から被災地支援指さし会話シート編集 細川、法人向け災害時支援ツール 営業担当 富樫、右奥 取締役 田村、右手前 フジテレビ番組ディレクターとの打ち合わせの様子


番組内では紹介されませんでしたが、撮影前の打ち合わせでは、「被災地支援指さしシート」ができた経緯もお話させていただきました。

――(ディレクター)どうして被災地支援指さしシートを作ろうということになったんですか?

2011年の東日本大震災が起きた時、私たちが支援ツールを作るヒントとなったのが、海外での被災地支援に「指さし会話帳」が役に立っているというニュースでした。
2004年1月イラクのサマワで人道支援を行うために送られた「旅の指さし会話帳64イラク」が、自衛隊員の方々とイラクの子ども達とのコミュニケーションに使用されたり、
同じく2004年12月のスマトラ島沖大津波の際、
被災者支援のために現地を訪れた日本赤十字社の方々が「旅の指さし会話帳2インドネシア」を使用したというニュースが報告されました。


イラクのサマワで人道支援を行うために送られた「旅の指さし会話帳64イラク」 日本の自衛隊によるイラクの子供たちとのコミュニケーションに使用される。

イラクのサマワで人道支援を行うために送られた「旅の指さし会話帳64イラク」 日本の自衛隊によるイラクの子供たちとのコミュニケーションに使用される。

スマトラ島沖大津波による被災者支援のために現地に赴いた日本赤十字社が「旅の指さし会話帳2インドネシア」を使用。

スマトラ島沖大津波による被災者支援のために現地に赴いた日本赤十字社が「旅の指さし会話帳2インドネシア」を使用。




これまで、海外旅行で使うツールとして制作していましたが、ボランティアや人助けに指さし会話が役に立つということを改めて知ることとなりました。

旅の指さし会話帳には、宿泊やショッピングといった旅で使えるページのほか、体調や病院・病気、トラブルといった現地で困ったときに使える言葉のページが用意されています。
インドネシアでは、そういったページが使われていました。

旅の指さし会話帳2インドネシア

旅の指さし会話帳2インドネシア「体調」「病院・病気」

こうして、2011年の災害時に、咄嗟のアイデアだったようにも感じましたが、編集部をはじめ、たくさんの著者の方たちの協力のもと
「被災地支援指さしシート」ができました。

――(ディレクター)情報のアップデートはあるんですか??

2015年4月ネパールで発生した地震では、自衛隊の国際緊急援助活動で「指さし会話帳」が使われていました。

ネパールで発生した地震に伴う自衛隊の国際緊急援助活動で「指さし会話帳」が利用(陸上自衛隊 Japan Ground Self-Defense ForceのFacebookより)

ネパールで発生した地震に伴う自衛隊の国際緊急援助活動で「指さし会話帳」が利用(陸上自衛隊 Japan Ground Self-Defense ForceのFacebookより)

それ以降、2016年の熊本の地震や昨年度の西日本豪雨、北海道胆振町の地震におきましても、地図などの内容を新しくすることで、取り組みを続けています。
災害時に発動する無料WiFiの00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)の情報を加えるなど、随時必要な情報を更新しています。

――(ディレクター)どうやって使うんですか?

日本語と多言語が並んでいますので、「薬をください」「水を2時に配ります」という具合に言葉を組み合わせて、指をさして会話をします。
被災地支援指さし会話シートの使い方

非常時もスムーズに対応 外国人と指さしで会話 指をさすだけでコミュニケーション

番組では、「旅の指さし会話帳25ネパール」が紹介されました

――(ディレクター)緊急時の対策が他にも使われている事例を教えてください。

公共交通機関、宿泊施設、飲食店といった訪日外国人を受け入れる機会の多い法人企業様や
地方自治体向けにオリジナルの「指さし会話」を作っています。
草津温泉向け指さしアプリを紹介
こちらは、草津温泉で働く女将さん方からのご要望を取り入れて制作したアプリです。

草津温泉旅館協同組合様(指さし会話アプリ)災害対応用

草津温泉旅館協同組合様(指さし会話アプリ)災害対応用

災害がおきたとき、「火山噴火」と「~が起きました」を組み合わせながら、「火山噴火がおきました。」という情報を伝えることができます。
アプリであれば、「火山噴火が起きました」という5言語のセンテンスで発音もしてくれます。
▶ 草津温泉旅館協同組合様(指さし会話アプリ)災害対応用 詳細を見る

――(ディレクター)外国人の宿泊客からの声はありますか?

外国人のお客様は、火山や地震に不慣れなことも多いので、何が起きているかがわからないということに不安を感じるので、情報をお伝えするという初期対応ができることによって、安心感につなげられるという声をいただいています。

小田急電鉄株式会社様(接客指さし会話シート)

小田急電鉄株式会社様の
外国人観光客への説明が難しい「振替輸送」を説明


その他、小田急電鉄様向けに制作した指さし会話シートでは、外国人観光客への説明が難しい「振替輸送」に関するページを追加し、
路線図を見ながらご案内ができるようになっています。
▶ 小田急電鉄株式会社様(接客指さし会話シート)詳細を見る
宿泊業では、コンフォートホテルなどを運営する株式会社グリーンズ様向けの「緊急時避難誘導指さし会話シート」を制作いたしました。
コンフォートホテル様向け指さし会話

番組内でコンフォートホテルで実際に活用されているところが紹介されました

▶ 株式会社グリーンズ様(緊急時避難誘導指さし会話シート )詳細を見る


編集、営業スタッフも見守る中、無事に撮影を終えることができました。
指さし会話帳は、とっさのときに開いてコミュニケーションがとれるので、確実に早く言葉を伝えることができます

災害時をはじめ、いろいろな場面で、訪日外国人と日本人の言葉のコミュニケーションのお手伝いができましたら幸いです。

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