大阪・関西万博で「指さし会話帳」を使ってみたら未来の国王と仲良くなれた話

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YUBISASHI 旅の指さし会話帳

旅の指さし会話帳は、海外でしか使えないと思っていませんか?

海外からの観光客はもちろんのこと、生活する人々も増えている日本。日本で日本人が外国人の方に道を尋ねたりオススメの料理を聞いたりする機会は少ないかもしれないけど、お互いの言葉が載っている指さし会話帳は、多言語・多文化交流にはもってこい!

…という話を指さし関係者の間でよく話題にしていたところ、指さし会話帳と出会ってはや26年、1999年発行の『旅の指さし会話帳 韓国』から会話帳を買い集めている「指さし会話帳コレクター」こと、イケピーさんが実際に日本で使ったレポートを送ってくれました!場所はなんと、大阪・関西万博!使ったものは、パキスタン!イケピーさんのレポートをお届けします。

“訳アリ”の指さし会話帳 パキスタンを持って万博へ

こんにちは!イケピーです。

プライベートで万博に行く準備をしていたところ、「世界各国から人が集まるこの機会に指さしが試せるのではないか?」と思いつき、蔵書を見渡すと、”訳アリ”の『旅の指さし会話帳 パキスタン🇵🇰』が目に飛び込んできました。

実はこのパキスタン、発行部数の少ない貴重なものと聞いたことと、また同じく指さし仲間の友人のSさんも欲しかったけど手に入れることができなかったと聞いていて、メルカリで見たときに2,300円で購入したものでした。

しかし、届いてみると、ヨレヨレでなんかニオイもする状態!まぁ、きっとしっかり使われたものなんだなと思いつつ、友人に報告すると…

Sさん 「私が欲しかったのはスリランカでパキスタンじゃないよ」
イケピー「えー!」

これは失敗したと思い、状態も良くないし…と、指さしファンにはあるまじき、「こっそりメルカリに売りに出す」という行動をとったわけです(笑)

しかし、まだ売れずに残っていたこの会話帳。だが、待てよ。文字も読めないし、国の情勢的にも渡航が難しい国だからこそ、パキスタンの人と交流ができるのは貴重…これは逆手にとって活用してみよう!と決心。メルカリの出品をすぐに取り消し(笑)、持参して大阪へ向かいました!

指さしきっかけでパキスタンのブースでウルドゥー語講座!

会場は平日にも関わらずすごい人数の来場者でしたが、逆にその熱気と、想像を超える建造物の数々に圧倒され、入場するだけで感動する空間でした。

世界各国のパビリオンが個性的で、現地から派遣されてきているスタッフもたくさん。「これは期待できる!」と胸膨らませながらパキスタンを探しました。単独でパビリオンを出していない国は「コモンズ(COMMONS)」という建物に小さなブースを出す形式で出展しており、パキスタンもその中にありました。

いざ突入!…しようと思ったら、、コモンズに入っているブースはほぼ並ばずに入れるのに、パキスタンだけ行列が!ほかのシンプルな展示と違い、特産品である岩塩をブースいっぱいに飾った素敵な展示で、大人気だったようです。

この環境で、指さし会話、できるのかな…?

一抹の不安を覚えながらも列に並んだところ、スタッフの方がいたので「ハロー!」と話しかけると、「私は日本人です」との返事(笑)。しかし、その方から、「あそこにいる青年がパキスタン人ですよ。それもかなりのエリートで、将来国王になるかもしれないくらいの人です」とのこと!そんな人に話しかけていいのかなと思いながら、ついに入場。

岩塩の展示が素晴らしく感動するのも束の間、意を決して彼にめがけて「ハロー!」と話しかけたところ…

スタッフ「こんにちは!」

流暢な日本語で返ってきました(笑)、なんと彼は日本語がペラペラだったのです

さらにお客さんもたくさんいて、ゆっくり話せる状態ではなかったのに、私が「このパキスタンの指さし本を買ってからあなたの国に興味を持ちはじめたので、東京からこれを持ってきました!」と言うと、彼はとても喜んでくれて「こちらへどうぞ」と見学の列の邪魔にならないところに案内されて会話をしてくれることになりました(涙)。

彼は日本語が流暢なので、実際には指さし会話帳を使ったやり取りではなく、パキスタンの公用語であるウルドゥー語のあいさつや簡単な会話の発音を教えてくれることになりました。

短い時間でしたが、この指さし会話帳があったから楽しく交流することができたことは間違いありません。彼もイラスト付きの指さし会話帳を興味を持って見てくれました。

指さし会話帳と万博は、色んな国の人と仲良くなるチャンス!

ということで、万博での指さし体験は、本当に楽しく貴重な交流ができました。実際にパキスタンの人と交流ができ、パキスタンという国自体にも本当に興味が湧いたので、この本はでもう少し手元に置いておこうと思います。

メルカリで売ろうとしていたこの本が、こんな体験をもたらしてくれるなんて想像もできませんでした!売ろうとしていた自分を責めたいと思います(笑)。

生きているうちに日本ではそう何度もない、世界中の人たちが集っている万博ですので、いろんな国の言語で発行されている指さし会話帳を持参して、普段接することができない国の方々と交流するのは二度とないチャンスかもしれません。「万博にゆびさし👍」で万博がさらに楽しくなります。皆さんも是非試してみてください☺️

 

なお、後日…

 

Sさん「私がほしかったのはスリランカじゃなくて(スリランカは普通に買えた)、バングラデシュだよ」
イケピーさん「えーー!!」

 

編集部注:『旅の指さし会話帳 スリランカ』は、Amazonのプリントオンデマンド(発注印刷)で購入できます。なお、バングラデシュは未刊です。

 

「海外の旅」だけでなく「日本の暮らし」にも指さし会話帳

イケピーさん、ありがとうございました!

شکریہ(シュクリア=ウルドゥー語で「ありがとう」)!

近年は、留学生や技能実習生が増え、国内でも多言語コミュニケーションの場面は増えています。指さし会話帳は“海外旅行専用”ではなく、日本にいながら世界とつながるツールへ進化中。イケピーさんのレポートを読んでいると、大阪・関西万博はその真価を気軽に体験できる絶好の舞台なんだなぁと感じました。スタッフの方では、日本語が話せる方も多いと思いますが、だからこそ相手の言葉に寄り添う会話帳は仲良くなるきっかけになりそうですね。

ぜひ皆さんも、話してみたい人の国の指さし会話帳を持ってみてください。

 

▼指さし会話帳の公式ショップはこちら!

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